欧州視察
市議会欧州視察団に参加した。姉妹都市フライブルクを中心に1週間で、3ケ国、5都市を訪問した。当地は数十年ぶりの寒波が押し寄せており、日中でも気温は零下、厳寒の中、フライブルクではサロモン市長や市の幹部と両市の近況や今後の交流のあり方を意見交換、友好を確認し、各都市で、交通、観光、教育、福祉、環境の分野で先進的な取組みを体感し、大変有意義だった。本市の政策提言に大いに生かして行きたいと思う。特に、交通に関して、多くのまちではトラムや連結バスが中心街を頻繁に行き交い、多くの市民や観光客は時刻表を気にすることなく利用でき、また、時間限定の乗り放題運賃やゾーン運賃(距離制運賃)の制度は、まさしくハード・ソフトの両面から、市民の身近な足として機能していた。又、近代的な車両が教会や古城等、中世の建物群を縫うように走る風景そのものが観光資源として大きな役割を果たし、更に車両の色も雪の多いスイスのチューリッヒは白色、バルセロナは地中海を意識してか、青と白のツートン色に統一され、まちのイメージを醸し出す効果も演出していた。一方、郊外の拠点駅に駐車場を配置し、中心部への車の乗り入れや駐車場の設置、大型店の進出を規制する等、パークアンドライドやトランジットモールといった都市計画の施策が交通政策と有機的に結びつき、まちの魅力度向上に繋がっていた。しかし、こういった欧州各市の取り組みは順風満帆ではなく、少数意見や多様性を重んじる民主主義の先進地域が故に市民の合意形成には大変な時間と労力を要することも学んだ。サロモン市長からは、交通は様々な利害が輻輳する政策分野であり、特に日本と同じような自動車大国であるドイツでは、公共交通を優先する政策について市民の理解を得るには、大変な労力を要することも伺った。大切なことは、説明責任とリーダーシップ、だという言葉が心に強く残った。