老朽化や耐震性が懸念される築一二○有余年の道後温泉本館の改修を含む同地区の活性化の基本方針が示された。要旨は、以下3点
①.本館改修時期は愛媛国体終了後とし、工事期間中は、観光客の落ち込みを極力抑える為、営業しながらの改修とし、極力工期の短縮をはかる (7~9年)、又、伝統的建築物ゆえに作業そのものを見せる工夫をし、安全を確保しつつ交通への影響の緩和に最大限努める。
二.代替施設が期待される (仮称)椿の湯別館の来秋オープンを目指す、と同時にその活用と誘客対策に取り組む (具体的にはオープンと同時に民間活力が発揮できるよう指定管理者制度の導入を実施)
三.一昨年から実施し、好評を頂いている温泉とアート事業をコラボした道後オンセナートは、現在、アート事業は継続する中で、(仮称)道後オンセナート二○一八を予定している。来年の愛媛国体や子規・漱石の生誕一五○年記念事業等との相乗効果をみすえ、来年年9月にプレオープン、再来年4月から翌年3月までの19ケ月間の長期開催を予定している。
日本最古を誇る道後温泉は本市の貴重な歴史遺産として市民に大切にされてきた.その象徴とも言える本館は約一二〇年前に初代道後湯之町町長 伊佐庭如矢 (いさにわゆきや)が多くの問題を抱えながらも改築を成し遂げたもの。又、如矢は松山城の公園化や道後鉄道の開設など、百年先をみすえた道後のまちづくりを進めた。如矢は 「 道後は、今のままでも10年、20年は栄えるだろう。しかし、今後もっと鉄道や航路が発達したら将来の状況は変わる。そうしたなかで百年後に道後温泉が同じように栄えている保証はない。百年経っても真似ができないものを造ってこそ意味がある。人が集まれば町が潤い、百姓や職人の暮らしも良くなる将来の道後温泉のために協力して欲しい 」 と、誠心誠意、町民を説得してこの偉大な事業を完成させた。
時代は異なれどまちづくりへの思いは同じ、この言葉を肝に銘じ、道後の取り組みを注視して行きたい。